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大飯原発3・4号機差止仮処分却下を即時抗告 [大飯原発裁判]

決定後即の路上にて

 2019年3月28日大阪地裁は京都府南丹市の児玉正人さんが2017年12月25日に申し立てていた関西電力を債務者とした「大飯原発3,4号機を運転してはならない」の申立を却下しました。都合5回の審尋を経てのもので4回目からは裁判長が交代していました。 


 児玉さんは却下直後の路上でこう話しました。

 福井地裁樋口裁判官が大飯原発の差し止めを命じました。その時に「福島以降は司法の判断は逃げてはいけない。」と言われたのですが、その後「社会通念上許される」というあいまいな根拠によって敗訴が続いています。どのような根拠で却下したのかわかりませんが私たちは樋口判決を引き継いで復活させるために戦い続けたいと思っています。


  カワカミアキさんという詩人が言われた言葉があります。「戦争法」強行採決の時に言われた言葉ですが「長い道のりであることには変わりない。しかしさまざまな形で訴えていくということは意味があるんだ」という趣旨のことをおっしゃいました。仮に今回大飯原発を止めたとしても高浜は動いていますし、40年越えの老朽原発の再稼働も準備が続いています。道は険しいと思いますが原発廃炉まで戦い抜きたいと考えています。


 私たちの側に正義があり道理があるという信念は変わりません。


 (記者)リスクを伴いながら原発は動いていますがこれについてどのようにお考えですか。


(児玉)動いている原発はすべてプルトニュウムを消費するためのMOX燃料を使っているわけです。そこにも国策であることがにじみ出ていると思うんですけど・・・・・。

 実は今日はスリーマイル島の事故から40年目なんですよ。その後チェルノブイリ事故が起き福島事故が起きました。4度目の事故を若狭の原発で起こさせてはならない、というのが関西人の義務であり使命だと思うので引き続き頑張っていきたいと思います。

  今回の裁判の争点は一つだけで、大飯原発の審査にあたった島崎邦彦さんが「あれは過少評価であった」「過少評価に基づいて原発が動くことになった」。ということを熊本地震の評価をやり直すことで「実際の地震動の三分の一から四分の一に過小評価されている」とおっしゃっているわけです。島崎さんが退任された後、地震の専門家が誰もいない原子力規制委員会の中で老朽原発を含めて稼働が始まろうとしていることは許されないと思います。

  で、この一手に絞った判決をどのように却下に至る理由づけしているのかこれからよくよく検討しますけどすごく憂慮すべき事態だと思っています。

                決定を受け取りに弁護団と    ↑決定書交付に向かう児玉さんと弁護団


 争点は「大飯原発の基準値震動856ガルは過小評価になっている」との証言の信用性でした。第3回目の審尋で島崎さん本人が証言台で陳述しました。これ以降裁判官は交代しました。


仮処分申し立て概要.pdf


記者会見に臨む児玉さんと弁護団

記者会見で挨拶する児玉さん

記者会見で無念さを見せる

会見中無念の表情の児玉さん


多くのマスコミが質問した会見場

詰めかけた報道陣


 会見には多くのマスコミが来ましたが地震の裁判での質問はかなりの勉強が必要で質問は専門用語が多く飛び出しての会見とはならなかったようにも思いました。

 児玉さん自身が長年の運動を通して原発について詳しく、冒頭の路上会見でも話したように「地震動が過小評価されている」一本に絞ったにもかかわらず裁判所が「過小評価の恐れが一定程度考慮されている」として却下したことに即時抗告しやすいという弁護団の話も出ていました。


2019年4月10日に即時抗告

 主な即時抗告の趣旨は次の通りです。

 大飯原発の耐震性の要となる基準値震動の策定が過小評価されているという島崎邦彦さん(元規制委員会委員長代理)の証言をもとに申し立てられたものです。審査の責任者であった専門家の島崎さん自身が「垂直に近い断層に地震発生前に得られる情報を入倉・三宅方式に当てはめると地震モーメントは過小となり、大飯原発の基準値震動はそのために大幅な過小評価となっている可能性がある」と証言されています。

 審査の責任者自身が過小評価を認めている事実。が、地裁は入倉・三宅方式が「熊本地震震源インバージョンと矛盾しなかった」「計算には保守的な設定がなされ一定程度考慮された」として却下しました。

 

 そこで弁護団は「震源インバージョンは地震が実際に発生した後に得られるデータによってしか実施できない」「その結果と式自体の矛盾はなかったことことは、式が地震発生前に得られるデータをあてはめ予測に用いられた場合は、大きな過小評価をもたらす」という島崎証言を信用性をなんらそこなうものではない」。ここに非論理的な決定があると考えたと言います。

 さらに「断層の面積から地震の大きさを求めるレシピ(ア)ではなく、最新の修正レシピと審査ガイドの知見に基づいて、断層の長さから求めるレシピ(イ)を基準地震動の策定において用いることを求めた申立人の主張については、島崎氏以外にも纐纈一起氏のような地震の専門家からも同様の指摘が為されている事実を顧みずに大飯原発は安全であるとの独断的な決定を下しています。」と反論しています。


 言葉が専門的ですが申立のPDF=仮処分申し立て概要.pdfを呼んでいただければ図解もされているので理解しやすいようです。


 なおこの裁判は

 (申立人)児玉正人

 (弁護団)河合弘之、甫守一樹、大河陽子、鹿島啓一、加納雄二、笠原一浩

 (事務局)南 康人、松田奈津子


  問い合先: 南康人(事務局 福井から原発を止める裁判の会)


となっていいます。


 



 


 


 


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「バイバイ原発3.10きょうと」開催、1500人が集まり「原発ゼロ」に強い意思示す。 [脱原発 脱被曝]

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 今年の集会は当然震災や原発事故で亡くなられたみなさんに黙とうをすることから始まりました。時折雨がぱらつく中での黙とうに客席もステージも哀悼の意思表示が示されました。


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 2011311日の福島第一原発事故にから8年となる日を前に2019310日「脱原発ゼロ」めざす集会とデモ「バイバイ原発3.10きょうと」が京都市東山区の円山音楽堂で集会、その後、京都市役所前までデモを行いました。

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 この集会には1500人が参加しましたが、「ゼロ」を掲げる政党の代表が一堂に会してスピーチ。「超党派議員連盟・原発ゼロの会世話人の山崎誠さんの「つくろう!原発基本法」の講演を受けてのものでした。また、原発京都訴訟の原告団は裁判所で行った意見陳述をそのまま話しました。「守ろう避難の権利」が強くにじみでていました。名古屋から40年廃炉訴訟市民の会・安楽知子さんが約束を破ってまで年数越えの原発を動かそうとすることに異議を唱えました。


「原発いらない」その一点を共通の願い、目的


 19031008.jpg最初に主催者を代表して挨拶した呼びかけ人の坂本真由美さんは「今日は、各地から、それぞれの想いを持って、大勢の方々が集まっています。年齢、仕事、立場、ジェンダー、心身の状態、動機などはひとり一人違いますが、「原発いらない」その一点を共通の願い、目的として、私たちは、ここにいます。

再会、または新しい出会いが生まれ、たくさんの想いが集まっているこの場は、とても大切な意思表示、発信の源です。日々の地道な活動へのエネルギーを生み出します。」と切り出し「復興庁は自主避難者を数に入れないなど実態全体を解りにくくしています。」(中略)「今日はチャンスです。後半のデモでは、京都のメインストリートで「原発いらない」との市民の想いを、現状を、私たちが世界に発信しましょう。」


主催者挨拶・坂本真由美さん挨拶全文


 次いで原発賠償京都訴訟原告団の皆さんがステージに立ちました。昨年3月15日「一部勝訴、国の責任は認める」との判決を受けた原告団は現在大阪高裁で係争中。そこで皆さんがステージで原告団が一審で意見陳述したそのままを「言葉」として声を一人一人が参加者に訴えました。


国は私たちを見棄てようとしています


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 スピーチのお一人目は「国は私たちを見棄てようとしています。放射能の被曝から逃れる権利は裁判に勝たなければ得ることはできません」。 お二人目は「「避難者はただ不安から逃れるために逃げた特別な人たち」というイメージを植え付けさせました。三人目の方は「 1日でも早く原発事故は無かったものにしたいがために,避難者たちの命を育む避難者用住宅から強制的に追い出し,世界から国際法違反だと批判されても,国民に知らされることはありません。」。四人目の方は「放射能は目に見えない,感じられない,本当に恐怖そのものなのです。被ばくを避けるため避難したことは,特別なことではなく当然のことなのです」など六人が声をあげました。そして最後に司会の方が「原告すべての勝利と、「避難の権利」を確固たるものにするべく大阪高裁で闘います。次の期日は、31311時開廷です。以下詳しくはPDFでお読みください。



 


 40年の稼働を越え運転延長の違法性を求め中止を


次いで名古屋地裁で老朽原発をとめるべく裁判を起した40年廃炉名古屋原発訴訟市民の会事務局長・安楽知19031009.jpgさんがスピーチに立ちました。私たちの裁判は関西電力の11基の原発の内、40年の稼働を越えた高浜1・2号基、美浜3号機の運転延長の違法性の中止を求めて戦っている裁判です。被告は国なので行政訴訟ですが関西電力も参考人として争っています。名古屋はもともと関電の電力消費地でもなく、何故名古屋で関電の原発裁判と思われる方もいらっしゃるかもしれません。しかし距離的には名古屋も高浜から120キロ、美浜から100キロ圏であり、日本海側から琵琶湖を抜けた伊吹おろしが吹きこむ地域であるため若狭の原発が大事故を起こせばこの関西圏も名古屋も共に被害を受ける運命共同体だと思っています。


 ただ、私たち愛知の住民が被害を受けるというだけで裁判をしているわけではありません。もちろん距離が近いほど被害が大きくなり避難が困難になることは事実です。そして忘れてならないのは特に高浜原発の音海地区で住民が再稼働に反対しているということを忘れてはなりません。詳しくはPDFでお読みください。


安楽知子さんスピーチ全文


 次いでこの日のメインスピーカーとして演壇に立った山崎 誠衆院議員(超党派原発ゼロの会の世話人)が話し始める前には壇上には立憲民主党の田中府連幹事長、国民民主党の泉政調会長、日本共産党の穀田国対委員長と参院議員の倉林議員、自由党の豊田府総支部連合会会長、社会民主党の飛鳥井府連合副代表、新社会党の小西府本部書記長、緑の党グリーンズジャヤパンの長谷川共同代表が席に着いていました。福山立憲民主党幹事長は閉会間際にステージで紹介されました。京都の脱原発を政策とする党がすべてそろったということになりました。主催の実行委員会はすべての政党に招待状を送っていることから原発推進の政党が明確になったともいえます。


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 各政党の前に「原発ゼロ法案」のまとめ役に奔走した山崎衆院議員が「つくろう!原発ゼロ法案」と題して話し始めました。(要旨)


 原発ゼロ法案の審議はゼロで全く審議しない。審議拒否をしているのは自民・公明党


 「原発はもういらない、世界で相手にされていないということはここに来ていらっしゃる皆さんはもう感じていらっしゃると思います。感じていないのが今の政府でリーダーとなって政治を動かしている。


 まず世界は完全に自然エネルギー・再生可能エネルギーに舵を切っている。この現実。例えば中国は今太陽光TAK_4134 .jpg発電世界一の国です。二番目はアメリカなんですが中国は3倍以上の発電量を持っています。


 政府、世耕大臣と毎回経済委員会で議論するんですがいまだに「安くて・クリーンで」と言うんですよ。安いわけありません。この前にも日本経済センターというところが 福島の事故の費用がまた上がりました。前回70兆円と発表していましたが今回81兆円にもなった。汚染水対策に40兆円もかかりますよと言うんです。もう対策費はうなぎのぼりでして、電気代にのせたら日本は大変なことになります。


 今動いている原発も速やかに停止をしてこの法律が施行してから5年以内に全原発の廃炉を決定します。5年何故かかるかと言うと2年間は原発を動かしているたくさんの法律を全部ひっくり返します。停めるための法律を作ります。あるいは法改正や廃止をします。3年間で新しい法体系に基づいて廃炉を進める。現実的だと思います。


 第二の柱は省エネ2030年までに2015年比で30%の削減をやろうということです。これはみなさんにランプでの生活をしてもらうというものではありません。特に日本では「熱利用」で無駄な電気をたくさん使っています。建物の断熱とかが進んでいません。こういったことをしっかりとやるということです。


 最後に2030年までに再生可能エネルギーで40%以上まかなおうというのが私たちの提案です。メガソラーが乱開発でいやだな~と思ってる方はたくさんいらっしゃると思います。注目してるのは地熱発電。これもまだまだできます。こういうとまた自然保護とぶつかっていくんですけど、例えば温泉熱の利用を進める。熱い温泉と言うのはぬるくして、わざわざ水を入れて温泉旅館に入れています。この冷ます分の熱を使えば発電ができる。また潮流発電もあります。黒潮が流れているのでこれを電気に変える。すでに企業が実証実験をやっています。これ200GWとい潜在能力があります。1GWが原発1機分ですから全部使わなくてもこの原発数機分の電気を潮流発電でまかなえる。


 原発ゼロ基本法案を昨年の39日に提出をしました。野党の皆さん協力してこれを提出した。経済産業委員会で審議するんです。時間はたくさんあったのに原発ゼロ法案の審議はゼロで全く審議しない。よく野党が審議拒否、審議拒否と言いますがとんでもない、大事なところで審議拒否をしているのは自民・公明党です。


 自主避難者と呼ぶのですが、自分で判断して避難したけど好き好んで出た人は一人もいない。中には自衛隊の人が区域外だけど逃げた方がいいですよと声をかけて出た人もいるんですよ。本当に事故から避難した人はみんな等しく守られなければなりません。等しく人権が保障されなければいけない。元通りの生活再建がなされなければならない。まず331日で福島県からの経済支援が打ち切られます。おの現実、今こそ国を挙げて国民の総意で福島の皆さんを救わなければいけないと思います。


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山崎誠さん講演全文


原発ゼロ法案→衆議員第三九号「原発ゼロ法案」


 山崎さんの講演を受けて各政党の代表がそれぞれスピーチしました。またその意思表示として会場の皆さんとプラカードを高々とかかげました。


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挨拶した政党代表のみなさん

田中 .jpg 泉 .jpg 倉林 .jpg 豊田 .jpg 飛鳥井 .jpg 小西 .jpg 長谷川.jpg

 こうした取り組みにはプログラムに寄せられた多くの個人・団体・政治家からのメッセージもありました。

福井県や滋賀・大阪・福島などの今年も同じように集会を開いた団体や遠くはドイツの・ネッカーヴェストハイム脱原発運動総会からも寄せられています。また、森清範・清水寺貫主、宮城泰年・聖護院門跡門主などの著名人、福山立憲民主党幹事長、前原国民民主党府連会長、穀田日本共産党国対委員長などからも寄せられています。

なお、この集会とデモに賛同を寄せられたのは個人が189人、団体が73団体になりました。


挨拶終了後には京都うたごえ協議会の皆さんで福島県南相馬市の中学生が作詞した「群青」を歌い上げ、その他数曲披露したあと会場一体となって「We shall overcome」を唱和しました。

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最後に次の決議文を採択しました。

 ・福島原発事故によって奪われた暮らし・健康・環境・地域社会を

  国と東京電力に償わせよう。

 ・避難者の切り捨て、汚染地域への帰還強要は許さない。

 ・若狭の原発動かすな。すべての原発の再稼働をやめさせよう。

 ・原発ゼロ法をつくり、脱原発社会を一日も早く実現しよう。


集会が終わり午後3時に円山公園~祇園~事情河原町~市役所前までデモ行進にうつりました。今年も朝鮮語・中国語・英語・スペイン語・日本語のプラカードが全員にいきわたっており、約900名近くが参加しました。最後尾は午後4時15分過ぎに市役所前に到着し、流れ解散となりました。


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2019年の→ちらし表裏


2019年のプログラム→プログラム1~2ページ.pdf

          プログラム3~4ページ.pdf

          プログラム5~6ページ.pdf

         プログラム7ページ.pdf



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以下デモの様子をサムルノイで並べてみました。それぞれをクリックすると大きな画像を見ることができます


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TAK_4260.jpg TAK_4281.jpg TAK_4301.jpg TAK_4305.jpg TAK_4306.jpg


TAK_4315.jpg TAK_4322.jpg TAK_4214.jpg TAK_4226.jpg TAK_4250.jpg


このページは「市民メディアの報道写真を見る会」が企画し「京都フォトニュース」が編集・撮影しました。 




 

 


 


 


 


 


 


 


 


 


 


 


 


 


 


 


 


 


 


 


 


 



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